県議会一般質問報告 沖縄県議会議員 大浜一郎
沖縄県議会定例会(令和4年度第1回定例会 3月1日)一般質問
- 直近に施行された自治体の首長選挙結果への知事所感について。
- 改正沖縄振興特別措置法及び法期限を10年とし、5年以内の見直しとの附則が明記されたことについての知事所見について。
- 令和4年度沖縄関係予算についての知事所見について。
- 沖振法改正において離島・本島北部の産業振興や定住促進に関する努力義務が新設されたことについての知事所見について。
- 令和4年度県当初予算における離島関連予算について。
- 復帰50年目を迎える沖縄の自立型経済へ向けた知事の展望について。
- 第6波対策としての離島地域を含めた3回目ワクチン接種体制強化について。
- 石垣市による尖閣諸島海域の実態調査及び海上視察実施についての知事の所見について。
- 南西諸島地域海底地震観測網の整備における県の取組状況について。
- 未来法を活用した石垣島におけるゴルフ場を含むリゾート建設に関する諸手続の進捗について。
主に上記内容で一般質問及び関連質疑を行いました。以下、当局とのやり取り要旨を抜粋し、ご報告いたします。
1.直近に施行された自治体の首長選挙結果への知事所感について。
○玉城知事
直近に施行された各首長選挙の結果につきましては、それぞれの候補者が、地域が抱える課題等の実情を踏まえ、自らの公約を掲げ、選挙に臨まれたものであり、このことを踏まえて有権者が判断されたものだ。
○大浜 一郎(再質問)
去る日曜日は石垣市の市長選で、私どもは自民・公明の協力体制でもって勝利を収めさせていただいた。知事は選挙での民意は尊重するということを常々語っておられることからも、今般の石垣市長選で示された民意ということを知事は最大限尊重していく。その理解でよいか。
○玉城知事
それで理解している。
2.改正沖縄振興特別措置法及び法期限を10年とし、5年以内の見直しとの附則が明記されたことについて。
○宮城企画部長
改正沖縄振興特別措置法の附則に、5年以内に所要の見直しを行うことが設けられたことについては、経済社会情勢がめまぐるしく動く中で、沖縄振興策もその情勢に合わせて適宜見直していく必要があることから新設された。県としても、3年ごとに策定する実施計画や毎年度実施するPDCA等を活用した計画の検証を行い、必要に応じて計画の改定等を行っていきたい。
○大浜 一郎君 (再質問)
改正沖縄振興特別において5年以内の見直しという附則が明記された。その意味をどのように知事は捉えているのか。
○玉城知事
私は、次の10年はおそらくデジタルトランスフォーメーションにしても技術の転換にしても、この10年よりも先の10年は非常に早いと思う。ですから5年目にそれらを見直すということは、政府がさらに沖縄の政策にしっかりと力を入れていくという思いだと受け止めている。
3.令和4年度沖縄関係予算についての知事所見について
○池田総務部長
令和4年度沖縄振興予算案は、前年度比326億円の減となった。また、沖縄振興一括交付金については、前年度比219億円の減額となったものの、制度の継続は認められた。一方、高率補助制度、沖縄関係税制などの特別措置の拡充、法の適用期間、沖縄振興開発金融公庫の存続と機能強化等については、おおむね本県の要望を踏まえていただいたものと考えている。令和5年度の沖縄振興予算の確保に向けては、これまで以上に、県と市町村が一丸となって要請活動を行ってまいりたいと考えている。
○大浜 一郎(再質問)
振興予算の減額措置に対して知事は大変残念としかいいようがないとか、県民や市町村、県の思いに応えられるものではないとか、さらには、「果たして国は沖縄の発展的可能性をどのように検証したのか。当然、国にたださないといけない」と国へ苦言を呈している。このコメントについて知事はどういう思いで言っているのか。
○玉城知事
どの場面のインタビューのどの質問に対する私の発言なのかについては、少し思い出せないのですが、ただ国に対してただしていくということは、我々の思いを常に確認していくということで、意見交換も含め確認をしながらやりたいということの思いではなかったかと思う。
○大浜 一郎(再質問)
私たち沖縄・自民党は、財政特例や税制特例、沖縄公庫の存続などを含む特例制度に関しては、政府側に制度の維持を強く要望していくということをお約束しました。しかし、予算獲得額については知事の最も重要な仕事であり、知事の力量にかかっている。予算減額の結果責任というのは当然あると思う。それをどのようにお考えなのか。
○池田総務部長
令和4年度の予算については、当初は財務省の内示からはかなり大幅な減だったが、最終的に西銘大臣の折衝により、今の額が確保されたというふうに考えている。
4.沖振法改正において離島・本島北部の産業振興や定住促進に関する努力義務が新設されたことについての知事所見について。
○宮城企画部長
県としては、これまでも離島振興及び北部振興に取り組んできたところだが、これらの規定が置かれた趣旨を踏まえ、今後はより一層、国や市町村と連携しながら、離島地域及び北部地域の振興に取り組んでいく。
○大浜 一郎(再質問)
沖振法の改正において努力義務が課せられたということについて、知事はやはり離島地域や本島北部地域を含め、行政視察も極めて少ない。地域が抱える産業振興、定住人口、特に医療体制の課題解決の関心がとても薄いのではないか。知事は、この努力義務新設についてどのように取り組まれていくのか。
○宮城企画部長
離島振興、北部振興、これまで取り組んできたところ、今回努力義務規定が設けられたところで、沖縄県としても、さらなる施策の充実等に努めていく必要がある。条文では地方公共団体に加え、国も加えられている。国、市町村と連携して、必要な施策の充実に努めていきたい。
○玉城知事
北部、離島市町村の振興について努力義務が置かれた、努力の規定が置かれたということは、より一層、国、市町村と連携をして力強く取り組んでいくということが位置づけられたというように受け止めている。
○大浜 一郎(再質問)
特にこの努力義務に関連することだが、特にコロナ禍において離島の医療の脆弱性は顕著な事例として浮き彫りになった。現場から聞こえてくる声は、離島医療における大きな課題は、医療資源の不足と医療人材の確保が非常に求められている。今後においても、離島地域の医療充実のための離島地域の基幹病院の定数の見直しも含めた議論は、改正沖振法の努力義務として具体的に取り組むべきではないか。
○我那覇病院事業局長
県立病院の離島の医師の確保については、まず第1に、県立病院で専攻医というのを採用して、専攻医が3年目になるときには1年間の離島の勤務というふうな方法で医師を確保する。それからもう一点は、派遣事業があり、本土の大学それから公的な病院に、採用のホームページあるいは直接そこに出向いて医師確保をする。3点目は、琉球大学との交流が必要。琉球大学にもかなり多くの医師を確保していただいている。それから今後、地域枠というのがある。こういった方々が専門を終了した場合に、地域に、離島、北部を含めて派遣して確保していくことで対応しているところだ。
○玉城知事
医師の確保、医療人材の確保というのは、あらゆる手段やその方法も考えながら適宜行っているという中にあって、今般コロナウイルス感染症が2年にわたってずっと感染している状態が続いている。そこで全国からも医療人材をお寄せいただき、場合によっては自衛隊にも力を貸していただきながらということで、地域医療、離島医療に一生懸命取り組んできたところだ。工夫を重ねていきながら一つ一つ丁寧に進めていくことが肝要であろうと考え、取り組んでいるところだ。
5.令和4年度県当初予算における離島関連予算について。
○宮城企画部長
令和4年度当初予算における離島関係予算は、概算で約五百三十六億円。主な事業としては、沖縄離島住民等交通コスト負担軽減事業が二十三億六千万円、離島地区情報通信基盤高度化事業が十三億円、沖縄離島体験・デジタル交流促進事業が二億二千二百万円、離島高校生修学支援事業が二千七百万円、離島医療体制確保支援事業が五千三百万円等となっている。また、離島の条件不利性を軽減できるICT等を活用する事業として、DX人材確保育成市町村支援事業が三千万円、離島デジタル広報・販売スキル向上支援事業が六千万円、離島ICT利活用人材等高度化事業が二千七百万円等となっている。
6.復帰50年目を迎える沖縄の自立型経済へ向けた知事の展望について。
○宮城企画部長
県が目指す自立型経済の構築に当たっては、移輸出型産業で国内外から外貨を獲得し、その外貨が域内に投下され、域内産業の活性化につなげることが重要だ。観光、商工、農林水産分野が連携し、産業横断的なマーケティング力を強化し、企業の稼ぐ力に資する取組を積極的に推し進め、生産性の向上や産業全体の収益力を高めていきたいと考えている。
○大浜 一郎(再質問)
知事は復帰50周年を迎えた総括と展望ということについて、県民所得の全国最下位で自立経済は道半ばであり、沖縄の特例措置は、特殊事情から発生する政策課題解決が実感できるようになるまでは継続が必要だというふうにも述べている。この実感ができる時期というものは、知事はどのような展望で見ているか。
○宮城企画部長
これまでの沖縄振興特別措置法等については、今議員が述べた様々な特殊課題があって、これに対応するための特別措置が講ぜられているものだ。沖縄の特殊事情に対する課題があるならば、引き続きの特別な措置を講ずる必要があるものと考える。
○大浜 一郎(再質問)
知事は具体的に、県民所得35位から25位の状況になってきたら、特措法とか振興計画の必要性の議論が出てくるとも語っている。その(県民所得)ランキングの位置、25位とか35位の位置が基準となる根拠は何なのか。また、目標とすべく県民所得の到達時期をどう見ているのか。関連して、沖縄県は労働生産性が低いと言われている。目指す県とどれぐらいの労働生産性の差異が今生じているか。目標となる展望の時期、順位となる指標、こういう基準がなくて、25位、35位といっても分かりにくい。漠然としすぎている。
○宮城企画部長
新たな振興計画については、計画の展望値を設定しているところで、10年後、様々な沖縄施策の展開によって指標がどの水準になっているか。例えば1人当たりの県民所得であれば、令和2年度約214万円の水準であるところを291万円の水準にまでなるというふうに今見込んでいるところだ。この291万円が10年後に全国のどの水準になるかというのは、相対的な部分もあり、非常に難しいところだ。
○大浜 一郎(再質問)
基本的に全国レベルでここまでいけば振興策を考えようというふうに明確に知事が言っているので、その辺の根拠となるバックデータをしっかり持っておかないと議論にならないので、その点は後ほどまたやっていきたいと思う。
7.第6波対策としての離島地域を含めた3回目ワクチン接種体制強化について。
○大城保健医療部長
追加接種については、医療従事者、高齢者施設等の入所者等及び一般高齢者を優先的に接種し、その他の県民については、ワクチンの量や接種体制等を勘案し、順次、初回接種から6か月経過後に接種していくこととしている。現在、小規模離島町村においては接種体制の確保が課題となることから、医療従事者の確保に係る関係団体等との調整について、市町村の支援を行っている。
○大浜 一郎(再質問)
石垣市では2月28日の時点で65歳以上の高齢者の3回目のワクチンの接種率は84.4%、12歳から64歳までが18.2%、全対象者の38.1%が接種を完了している。市の方針としては、3月までに地域の免疫力を高め、医療崩壊を防ぎ、経済再生への足がかりにしたいということだ。県の直近の3回目の接種状況と具体的な接種率をもう少し具体的に答弁を願います。
○大城保健医療部長
ワクチンの接種については、3回目接種を推進する必要があるということで、推進期間を設けて、3月末までに高齢者の7割に当たる接種を推進するという目標を設定しているところだ。
○大浜 一郎(再質問)
石垣市では3回目接種を打って、かかっても無症状な102歳のおばあちゃんがいる。だから医療崩壊が起きない。だからいつまでにワクチン接種をするとういうことが大事だ。それに向けて加速して対策を取っていただきたいと思うが、知事はどう思うか。
○玉城知事
まず、高齢者の方々の発症及び重症化を防ぐということから、3月末までに高齢者7割に当たる方々にワクチン接種を進めていきたい。市町村と連携をし、広域センターも活用しながら、エッセンシャルワーカーの皆さん共々含めてよりワクチンの接種を進めていきたいと思う。しっかりとサポートをしていき、できるだけ感染を防ぐ、そして感染しても重症化を抑えるという意味で、ワクチン接種への協力をしっかり呼びかけていく。
○大浜 一郎(再質問)
この広域接種センターだが、県は第6波の対策として、職域接種も含めたワクチン接種を向上するための大規模なワクチン接種会場の設置を、東京とか大阪のように、自衛隊法に基づいた接種会場の設置も視野に入れてはどうか。
○大城保健医療部長
自衛隊の大規模接種会場について沖縄県で設置できないかという要請は口頭で申し上げたところだ。しかし、東京、大阪以外にはちょっと検討が難しいという答えであったというふうに理解している。今回、県が設置している3か所の接種センターは、予約状況についてはまだ余裕があるので、まずはそこからしっかりと接種を進めていきたい。
○大浜 一郎(再質問)
自衛隊へ会場設置を要請し、自衛隊が断ったという理解でいいか。
○大城保健医療部長
令和3年の5月27日に、知事が基地関連の用務で上京された際、内閣官房長官及び防衛大臣等へ、人口の集中する那覇地域に国が主体となり、大規模接種センターを立ち上げ、ワクチン接種を大きく展開していただきたいという旨の話をしたと聞いている。
○玉城知事
まず、今部長よりの答弁でもありましたが、そういうような設置が可能かどうかというような意見交換をしたものであり、要請をしたという正式なものではない。ただ、沖縄県でしっかりと運営していくことを考えた場合に、広域ワクチン接種センターを設置するに当たって意見交換をした。
○大浜 一郎(再質問)
これは安全保障委員会で設置ができるという議論がもう既に去年で終わっている話だ。その辺のところも必要であるならばいろんな手を借りてワクチン接種を向上するべきだ。
8.石垣市による尖閣諸島海域の実態調査及び海上視察実施についての知事の所見について。
○金城知事公室長
石垣市長は石垣市周辺海域実態調査として、海上から尖閣諸島を視察されたものと承知しており、今般の視察は石垣市長としての判断によるものと受け止めている。県としては、尖閣諸島をめぐる問題は、日中両政府の平和的な外交・対話によって解決が図られることが必要と考えており、引き続き日本政府に対し適切な対応を求めるとともに、今後の日中両政府の対応も含め、注視していく。
○大浜 一郎(再質問)
第11管区の本部長が2021年度における中国海警局が尖閣の接続水域に派遣された日数、接続水域で確認された日数について、極めて深刻だと述べている。この日数については、県のほうで把握しているか。
○金城知事公室長
中国の船舶による領海侵入については、平成31年度が延べ隻数で32隻、延べ日数で126日、それから令和2年度は延べ隻数で29隻、延べ日数で88日、そして令和3年度は、現時点において延べ隻数が40隻で延べ日数にして110日となっている。接続水域については、令和3年度は、現時点において延べ隻数で332隻、延べ日数で1222日といる。
○大浜 一郎(再質問)
今回は海保や県警、自衛隊の連携の保護の体制の下で、石垣市による海洋実態調査、海上視察について行ったが、これまで知事から基本的に何のコメントもない。今回の調査は、平成25年に制定した石垣市の海洋基本計画に基づく海洋利用の促進と海洋環境保全の調査、そしてSDGsの「豊かな海を守ろう」スローガン、また知事が掲げている社会、経済、環境が調和する海洋島嶼圏構想にも合致していると思。県の行政区内における今回の海域調査についてどのように思われているか、知事の所見を伺いたい。
○玉城知事
答弁が重複するが、今回の視察の件に関しては、石垣市長としての判断として行ったものだろうと受け止めている。また、やはり日中両政府の平和的な外交、対話によって解決が図られること、尖閣諸島問題はそれが重要であるというように考えている。引き続き政府にそのように求めていく。
○大浜 一郎(再質問)
何を解決するのか。
○玉城知事
尖閣諸島における様々な対話によってお互いの互恵的な関係が築いていける、そういった解決策を探っていただきたい。
○大浜 一郎(再質問)
知事は、あそこは沖縄の海だと思っていないのか。
○玉城知事
日本の領海であり、領土であります。
○大浜 一郎(再質問)
知事は今回尖閣諸島の海域の調査に、調査船による同行視察を要請していたら、乗船して尖閣諸島海域の視察に同行することができたのか。
○玉城知事
仮定の質問にはお答えを控えたいと思います。
○大浜 一郎(再質問)
仮定になるかもしれないが、やはり自分の領土・領海は自分で守るという基本的なことを、行政の長であってもしっかりやるべきだと思う。また、そういう答弁を今後はしなければならないと思う。その点についてはよろしくお願いをしたい。
10.南西諸島地域海底地震観測網の整備における県の取組状況について。
○金城知事公室長
南西諸島海溝における海底地震・津波観測網の整備については、九州地方知事会を通じ、国に対して整備を検討する際に必要な基礎データの検証・評価を毎年求めている。あわせて、琉球大学などの関係機関と、海底地震・津波観測網整備の現状や、プレート間の固着の強さ等の基礎データの収集に向けた方策等についての意見交換を昨年11月から2月にかけて3回実施している。その中で、整備に向けての効果的な取組方法や課題等について、勉強会を通して理解を深めながら進めていく旨を確認したところだ。
県としては、今後とも関係機関と連携し、海底地震・津波観測網の整備に向け、取り組んでいく。
○大浜 一郎(再質問)
やっとこの地震の観測網の話合いが前に進んでいるという気がする。大事な施設整備になる。もう一度決意を聞きたい。
○金城知事公室長
県としても、昨年11月から2月にかけて琉球大学の教授と意見交換を行っている中で、基礎データの調査の状況、沖縄県における地震発生の危険度、海底地震観測網に係る国の整備状況等々について意見交換を行っているところだ。この意見交換の中で、国の整備に当たっては地震調査研究推進本部で整備の必要性が認められなければならない。基礎データの収集や整備に関する地域住民の意識の醸成など、クリアすべき課題等を洗い出しながら進めていく必要がある。こうしたことも踏まえ、議員からありましたとおり、県民の生命、財産、安全・安心な暮らしを守るという観点から、非常に緊急で取り組むべき課題だというふうに考えており、引き続き琉球大学等関係機関も含めて、整備に向けた取組を強化していきたい。
10.未来法を活用した石垣島におけるゴルフ場を含むリゾート建設に関する諸手続の進捗について。
○嘉数商工労働部長
県では、令和3年11月26日に事業者から提出のあった地域経済牽引事業に係る修正計画と、基本計画及び土地利用調整計画との適合性について確認を行い、その後も必要に応じて、事業計画の補正を事業者へ指示してきた。現在は、基本計画に記載された環境の保全など地域経済牽引事業計画の促進に際し配慮すべき事項と当該事業計画との適合について確認作業を進めている。
○大浜 一郎(再質問)
進捗状況は商工労働部長からお聞きしましたが、農水のほうでは何か問題がある箇所というのがまだあるのか。
○崎原農林水産部長
農林水産部においては、農林水産省の通知等に基づき、土地利用の調整計画と地域経済牽引事業計画の土地利用予定地の記載内容、その他の適合について確認を終えたところだ。地域経済牽引事業計画が承認され次第、農振除外や農地転用の手続を行うことになる。
○大浜 一郎(再質問)
環境部はどうか。
○松田環境部長
環境部に関しては、沖縄県環境影響評価条例に基づき環境アセスメントの手続を実施しており、当該事業については、環境アセスメント手続は既に終了している。今後仮に事業が実施される際には、事後調査報告書、現場の調査、環境監視が行われ、その結果を報告することになるので、その内容について詳細にチェックをし、必要に応じて事業者を指導していくことになる。
○大浜 一郎(再質問)
このように未来法の趣旨にのっとって各種手続が進行して、大詰めに差しかかっているこの計画であるが、今般の市長選の争点になったことが私は全く不思議でならない。手続にのっとってやっているにもかかわらず。照屋副知事が1月に選挙で石垣に来た際に、今のような開発をしていいのかと。私もこの手続の中にいるけれども、実際に現場に来ると認識の仕方が変わってくると述べた。このような開発をしていいのか、と地元紙で報道されている。基本的にこの施設は地域の稼ぐ力の生産基地として期待されている施設であり、高単価の客層や冬場の観光客の誘致、県民の生涯スポーツとしての活用、地域の農水産物の地産、消費拡大などの展望が期待されるものだ。照屋副知事の一連の発言で許認可の諸手続に仮に影響があったとするなら、サボタージュしたと勘ぐりたくもなる。規模の大きい民間投資を伴うものなので、慎重に言葉を選ばないと大変困る。副知事、いつ頃までに手続が済むというふうに考えているか。
○照屋副知事
まず、私のコメントが波紋を広げたようであるが、私は、この石垣ゴルフ場については否定したことはない。必要だと認識しているということは、前の議会でも答弁をしたとおりであり、直近の環境団体が要請に来た折にも、地域未来投資促進法について、地域の特性を活用した事業の生み出す経済的波及効果に着目して、これを最大化しようとする地方公共団体の取組を支援するものであると申し上げた。また推進する団体の要請も受けて、その内容についても知っている。一方で、計画地周辺はラムサール条約に基づいた登録湿地である名蔵アンパルや、国指定特別鳥獣保護区などが存在し、また特別天然記念物であるカンムリワシの生息が確認されるなど、自然環境の保全上、大変重要な地域と考えている。
したがって、古くて新しい言い方でありますけれども、環境と開発の両立というふうな課題に向き合う事案として慎重に今まで手続を進めてきた。この石垣リゾートアンドコミュニティ計画については、地域未来投資促進法や沖縄県環境影響評価条例に基づく手続に加え、沖縄県赤土等流出防止条例の開発行為に伴う手続も必要となることから、県関係部局及び石垣市と緊密に連携しながら適切に進めてきた。 手続については、地域経済牽引促進法、この審査が順調に進んでいるので、速やかに確認が下りるだろうとふうに考えている。
【所 感】
知事は沖縄関係予算減額について、知事としての責任回避に終始していることに憤りを感じざるを得ない。新沖振計に離島地域への定住、産業振興について努力義務が課せられたのは、知事の離島への配慮のなさを国が指摘したものであり、離島振興なくして沖縄の振興はないという事を深く自覚すべきである。ゴルフ場を含むリゾート開発については、3月22日に県の承認があったことから安堵している。今後自然環境に十分配慮した施設整備を望む。