沖縄県議会報告(令和2年 第6回定例会)一般質問 要旨

沖縄県議会報告(第6回定例会2020年9月28日)一般質問要旨
1知事の政治姿勢について
(1)令和3年度沖縄振興予算要望及び税制改正要望について
ア予算要望概要及び重点的施策について
【総務部長 答弁】沖縄振興計画最終年度で、国に3千億円台の沖縄振興予算に加え、新型コロナウイルス感染症対応予算の確保を求め、沖縄振興一括交付金増額、補助金所要額確保、子供貧困対策、沖縄健康医療拠点整備、首里城復元の推進等、沖縄振興支援を求めた。

イ令和3年度八重山地域の定住条件整備施策及び社会資本整備の取組について
【企画部長 答弁】沖縄21世紀ビジョン離島振興計画に基づき、離島住民の交通運賃軽減、超高速ブロードバンド基盤整備等、八重山地区ラジオ中継局移転・機能強化支援、定住条件整備等、各種施策を実施した。引き続き人材確保や子育て支援の課題解決に向け、関係市町村と連携し離島振興に取り組む。

【土木建築部長 答弁】一般県道道路整備、白浜港、祖納港港湾整備、与那国空港電源施設更新、県営新川団地建替、バンナ公園や川平海岸老朽化施設改良等、引き続き社会資本整備に取り組む。

ウコロナ対応費別途要望における八重山地域の施策について
【企画部長 答弁】コロナ対応経費要請は、地域別、個別所要額の積み上げではなく、医療体制確保、地方空港存在等、島嶼性による特殊事情に基因した経費につき、沖縄振興に支障が生じないよう予算確保を求めた。

エ税制措置1年間延長要望による実質的効果と成長性及び課題抽出について
【企画部長 答弁】平成30年度適用実績155件、約48億円。産業高度化や企業立地の促進、雇用創出、観光収入増に貢献した。税制措置延長は、沖縄21世紀ビジョン基本計画の総仕上げと、コロナ禍で落ち込んだ経済回復及び成長を関係団体等と連携し取り組む。

(2)新過疎法について
ア現行過疎法見直しによる八重山地域の小規模離島自治体への影響評価と新過疎法へ向けた県の要望方針について
【企画部長 答弁】八重山地域が新法適用から外れた場合、経過措置期間終了後、財政上有利な過疎対策事業債が活用できなくなるため、知事が沖縄県過疎地域振興協議会ともに、関係国会議員に継続指定要請を行った。

(3)対話と過程を大切にするという知事の政治信条について
【知事 答弁】意見や立場の違いを超え、対話による協議を行う過程を大切にし、意見の一致やコンセンサスを得る等ということが、民主主義の基本であると考えており、米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設について、県民の思いを真摯に受け止め、対話による解決に取り組んでいただくことを政府に求めている。

2尖閣諸島に関する諸問題について。
(1)行政区内で頻発する尖閣諸島問題について県政の取組について
【知事公室長 答弁】 中国公船の行為が、宮古・八重山地域住民に不安を与えており、日本政府に尖閣諸島問題解決要請を行い、沖縄及び北方対策担当大臣に関係改善要望も行った。今議会終了後、知事が国に要請を行う調整を進めている。

3県内景気動向の概況及び雇用・所得情勢の現況認識と対策について
【企画部長 答弁】県内景気は40期ぶり後退。6月期業況判断DIは大きく悪化し、約9年ぶり全国を下回る水準。7月家計調査1世帯当り実収入対前年同月比5.0%増加。配偶者収入減少も、特別定額給付金等支給で、世帯収入全体で増加。県内経済動向は予断を許さない状況が続き、ウイズコロナ環境下で早期経済活動の再開、観光や経済の立て直し、暮らしや雇用が維持されるよう全力で取り組む。

【商工労働部長 答弁】令和2年7月完全失業率3.2%、前年同月比0.4ポイント上昇、有効求人倍率0.67倍、5か月連続低下。国の雇用調整助成金の活用促進と事業主の負担軽減が重要。相談体制強化と上乗せ助成を行っている。沖縄県雇用対策アクションプランを踏まえ、企業間人材マッチング事業の補正予算計上、就職困難者等への再就職支援や生活相談等実施。

4八重山地域振興の課題における施策展開について
(1)ICTを活用した教育の充実、企業誘致、生活環境格差是正について
ア八重山地域の遠隔教育における質的向上に向けた施策について
【教育長 答弁】沖縄県教育情報化推進計画に基づき、離島・僻地で少人数・複式学級でICTを活用した授業改善を推進。学校間交流授業の遠隔実施、学校と企業間オンラインキャリア教育も増加。
今後も遠隔教育の質的向上、教員向けICT活用講座等を実施し学校支援に努める。

イ5Gを活用した企業誘致、生活環境格差是正へ向けた施策について
【企画部長 答弁】5Gは地域振興や離島の不利性解消につながる重要なインフラ。高速・大容量を生かした高精細画像による観光体験、低遅延を生かした遠隔医療、多数同時接続を生かしたスマート工場等、様々な分野での革新的な活用を関係部局と連携し施策を検討・展開していく。

【商工労働部長 答弁】情報通信産業振興地域に石垣市が指定されており、石垣市IT事業支援センター等、情報サービス企業等が立地。5G普及による様々な社会的課題の解決や、新たなビジネスの創出が期待できるため、市町村と連携し、引き続き情報通信関連企業の誘致に努める。

(2)八重山地域の経済力再興について
アGoToキャンペーン事業拡大に伴う各地域産業への波及効果拡大へ向けた施策展開について
【文化観光スポーツ部長 答弁】感染予防と観光の両立、安全・安心の沖縄観光促進、GoToトラベル事業、GoToイートやGoToイベント事業と連携し、需要の取り込み、離島を含む地域の観光コンテンツの開発促進、消費額や滞在日数増、地域経済の波及効果拡大を図る。

イ農水産業と観光産業との連携強化による地域経済力、生産者所得向上への施策について
【農林水産部長 答弁】産地研修開催、県産農林水産物の利用促進対策、加工施設や直売所整備等、6次産業化や、グリーンツーリズム推進など、観光産業等と連携した農林水産業振興に取り組んでいる。
離島地域基幹産業のさらなる振興と、所得向上や雇用機会の確保等、引き続き各種施策を推進する。

ウ建設・設備産業に携わる人材育成強化へ向けた具体的施策について
【土木建築部長 答弁】沖縄県建設産業ビジョン2018において、建設企業、業界団体、行政機関で施策策定し、官民一体で推進する。研修会へ講師派遣、建設業の相談窓口設置、専門家派遣、八重山地区を含む各地区でセミナー開催し、経営基盤強化を図り、建設現場体験親子バスツアーを石垣島において実施するなど、建設業の魅力発信に取り組んでいる。

(3)海浜漂着物回収及び廃棄物、産業系含む処理への取組強化について
【環境部長 答弁】県内海岸漂着物のうち約半分が八重山地域で確認されており、国の補助制度を活用し、回収・処理を実施し、石垣市や竹富町が実施する回収・処理費用の9割を補助している。離島地域での、産業廃棄物処理コスト削減と、適正処理促進の方策を検討している。離島振興の大きな課題であり、国に対し予算の確保を求めていく。

(4)赤土流出対策の徹底、汚水対策を含めた海域水質改善へ向けた具体的施策について
【環境部長 答弁】水質汚濁防止法に基づき、石垣港及び川平湾、宮良川及び名蔵川で定期採水・分析、水質の把握。施設の立入り、排出水の監視を行い、各家庭等の浄化槽、法定検査の受検・管理について啓発を行い、河川・海域の水質保全を図っている。

所感】菅政権との実務的対話がどこまでできるのか、知事の答弁は不安ばかりが残った。
苦渋の思いの中で、地域振興を求めている久辺3区の皆様に、私が質問して一年経つが未だに直接対話ができておらず、予定も立っていない。
尖閣問題において、国と石垣市は主権意識と危機感を共有しているが、行政区の沖縄県とは共有できないのは、知事の資質だと改めて証明された。

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